Profile

プロフィール
広川雄一(仮名)、28歳。石川県出身。私立大学経済学部卒(写真部)。 大学を卒業後、ファーストフードチェーン店に就職。入社から6年、先輩社員の退職がきっかけで、行政書士の資格を目指すようになる

(c)2009 行政書士 合格体験記

(8)行政書士試験の合格・不合格の発表がやってきた。落ち着いてはいられなかった

行政書士の合格通知が届いたのは、まだ寒い1月のことだった。年明けからはもうサンタクロースの格好をする必要はなかったが、結局店長としては、たまに店の外で店頭に立たないといけない。人手不足がそのころ、店を直撃していた時期でもあったように記憶している。

行政書士合格発表の日も仕事だった。だから、仕事が終わるまでチェックはできなかった。
どういうわけか、いつもと同じ仕事をするだけなのに緊張してしまって、仕事中に何回もうわの空になってしまった。お客さんにミスを指摘されなかったのは不幸中の幸いだったと思う。自分の休憩時間が来たときは(休憩を取れない日も多いのだが)落ち着かなくて、なんとなく匿名掲示板の行政書士受験者が集まるスレッドを開いてしまった。そうしたら、やはり同じように落ち着かないネチズンがもう書き込みをしているのが目に留まった。『みんな同じなんだ』そう思うと、ちょっとだけホッとした。

この日の残業は、多くも少なくもなかったと思う。やっと帰れることになって、店を後にしてからどうしようかと思った。行政書士試験のオフィシャルホームページにアクセスすれば合格者の受験番号をすぐにみられるのだが、急に怖くなってしまったのだ。

だからといって、家に帰っても結局ネットで合格者を調べることになるのは変わらない。迷って小一時間も無駄にしてしまったが、結局見ることにした。帰る途中にファーストフード店に立ち寄って、スマートフォンを取り出して少しずつ画面を移動させていく……。

自分の番号が近づいてくるとまた恐怖がこみあげてきた。でも、これ以上時間を無駄にしても無意味。ちょっと自暴自棄になって逆に、次の番号を表示させるスピードを上げてしまった。

だからだと思うが、自分の受験番号は最初すっ飛ばしてしまったのだ。しかし目に全然映ってなかったわけではない。「あれ、今……」そう思った。そして今度はゆっくりと引き換えしていく。すると? あった! 僕の番号に間違いない。

自分でもいまだによくわからないのだが、立ち上がって大声をあげてしまった。近くの席に座っていた人たちや、たまたま通りかけていた店員たちが不審げな視線を浴びせてきたことはいうまでもない。我に返ると、すごく恥ずかしくなった。


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